2015年9月18日金曜日

食べて生きる私&本紹介(金:沖縄本)古波蔵保好『料理沖縄物語』

こんばんは!くじらブックスです。
今週は遅い更新になっています。
連日受講したR大学公開講座「発酵学」も、今日が最終日。
ずっと座り続ける授業というのも久しぶりで体が固まりそうに…。
しかし、普段おざなりにしていた「食」について改めて考えることができ、充実した時間でした。
これからもっと積極的に、料理してみたいと思います。
できるでしょうか…ぼちぼち、やってみます!

今週は総合テーマ<食>で本をご紹介します。
※気になった方は、お近くの書店・図書館、または
※kujirabooks.okinawa@gmail.com までご連絡ください

金曜日は<沖縄本>
ご紹介する本はこちらです。


『料理沖縄物語』 著:古波蔵保好
出版社:作品社 価格(本体):※出版社品切※
県内図書館・古書店にお問い合わせください。

読みながらつい「素晴らしい」と言いたくなるエッセイとは、どんなものだろう。
自分なりに考え、以下2点が思い浮かんだ。
・さらっと自身(の記憶・思い出)から始まり、いつの間にかテーマに着地させる筆力
・無駄なくせ、嫌味がなく、読んで気持ち良い、のどごしの良い文章
いずれも今回紹介する『料理沖縄物語』を読み、浮かんだ言葉だ。

明治の首里に生まれた著者が、幼い頃見た街の風景、旧暦の行事、家族の思い出を描きつつ、懐かしい沖縄料理をレシピも含め書き留めていく。
豚あぶら、らふてえ、あんだんす、ぽうぽう、芋くじあんだぎいなどの家庭料理は、私も読むだけで味を思い出し懐かしくなる。
<最高の正餐>とされた三献の料理、五段の料理については、その豊かなようすを想像し食べてみたいと願う。
戦前の沖縄が目の前によみがえってくるような読み心地と、著者の家族(特に母・妹)への深い愛情が、文章のすみずみから伝わってくる。
古波蔵保好氏は戦後新聞記者として働いた後、東京沖縄を行き来しながら、エッセイストとして活躍されたそうだ。
変わり移ろう現代と変わらない思い出を、遠く近く見つめながら描かれた素晴らしいエッセイ集。
読後、母と一緒に料理したい、母の味を失くさないよう受け継ぎたい、と素直に思わされた。

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