2015年9月28日月曜日

旅立ちます&本紹介(日:勝手に選書!)「秋・悩める中高生に薦める3冊」

こんばんは!くじらブックスです。
沖縄本島では、台風の影響はほとんど感じられない一日でした。
八重山地方はこれから大分影響がでるようです。
該当地域の皆さま、どうぞお大事にお過ごしください。

個人的にはWEBストアの開設(随時更新!)、九州旅行の準備でパタパタしていました。
そう、明日9月28日から10月6日まで、旅に出るのです。
最終目的地は10月4日の『一箱古本市in BOOK マルシェ佐賀』。その前に九州各地を放浪してきます。
旅先から更新のため、ブログも現地で見た風景・出会った本について、書いていこうと思います。毎日更新は続けますので、どうぞよろしくお願いします。
さて、どんな旅になるでしょう。全くノープランなので、楽しみです。気ままに行ってみます。
オススメなどありましたら、どうぞ教えてください。

ブログでは毎日、曜日ごとにテーマを決め本をご紹介しています。
※気になった方は、お近くの書店・図書館、または
※kujirabooks.okinawa@gmail.com までご連絡ください

日曜日は<勝手に選書!>
今日は「秋・悩める中高生に薦める3冊」
2学期が始まり、約1か月経った日曜の夜。
読むと気分が楽になりそうな本(当社比)を選んでみました。


『僕の高校中退マニュアル』 著:稲泉連
出版社: 文藝春秋 価格(本体):※出版社品切※

高校一年生の2学期、著者は中退を決めた。
上辺でしか付き合えない周囲と自分の関係、中学~高校入学後も変わらなかった学校生活への<違和感>。嘘をつかず向き合った結果、彼は常識と呼ばれる道を降りる。そして、大検(現在は高認)・大学受験を決意する。
冷静に分析しつつ自身で考え決める著者は、とても10代(執筆時)とは思えない。一方で、くよくよしたり怠けたり、高校生らしい幼さも見える。一歩一歩踏みしめながら進んでいる姿が文章の奥から浮かぶ。そして家族や塾の先生・仲間たちと、強制されない心の付き合いで支えられていく。
彼は、訳も分からず流されたくないと言う。それは本来誰もが感じるているはずの感情ではないか。だからこそ、読者は彼を憎めず、応援したくなるのだ。
結論から言えば、大検合格・早稲田二文合格で、新しいスタートに立ち本書は終わる。あくまでプロローグだから、ドラマチックでもない、成功マニュアルでもない。
学校生活は長い人生の1ページ、それぞれの進み方がある。正解などないのだ。どんな道も後悔しないよう、自分で決めて生きようよ。そう語りかけられている気分になる1冊。
(著者・稲泉連氏は、後年最年少で大宅壮一賞を受賞したノンフィクション作家。いずれの作品も興味深くオススメです)


②『まちがったっていいじゃないか』 著:森毅
出版社: ちくま文庫 価格(本体):660円

数学研究者・京都大学教授でありながら、独自のエッセイ・教育論も発表し続けた森毅氏。
この本は、子供時代からの思い出、戦争体験、勉強してきたこと等を、青少年向けに分かりやすく書いている。
周囲の価値観に合わせない、各々が自分なりのやり方で生きていけばいい、という誰もが心底願いながら言葉にできない思いを、のんびりでもはっきり、伝えようとしてくれる。
読めば「なんとかなるかも」と肩の力が抜け、勇気づけられるだろう1冊。


③『さびしさの授業』 著:伏見憲明 
出版社: イースト・プレス 価格(本体):1000円

誰にも理解されない、という孤独感。傷つけられ、二度と立ち上がれないと思うほどの悲しみ。
簡単には癒えないだろう、共有もできないかもしれない。
それでも、抱えて生きていくことがとても大切なことなのだ。
自身も苦しい10代を過ごした著者は、映画や創作物の例えも交えつつ、同様に苦しむ「君」たちに言葉を尽くして語りかける。上からではなく、そばで寄り添うように佇んでいる姿が浮かんでくる。
さびしさを知り、抱えて生きることは、無駄ではない。そう思えれば、今を乗り越えていける。
苦しい夜、光を放つ灯台のような1冊になるだろう。

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