2015年9月15日火曜日

体を考える&本紹介(火:児童書・絵本)『十二の真珠』

こんばんは、くじらブックスです!
今日は朝から少し調子が悪く、家で大人しく過ごしておりました…。
午後には大分良くなり、ほっとしています。
主に眼精疲労と頭痛・首肩こり等で、普段は平気なのですが、時々「体が動かない!」という日があり、困ってしまいます…。
人間ドックは正常数値なので「普段の生活改善だよなあ」と思い至りました(当たり前)。
この機会に、いろんな面で自分の体とどう向き合うか、考えてみたいと思っています。
ぼちぼち頑張ってまいりますー!
公開講座も明日から再度、参加してきます。

そして今週は総合テーマ<食>で本をご紹介します。
※気になった方は、お近くの書店・図書館、または
※kujirabooks.okinawa@gmail.com までご連絡ください

火曜日は<児童書・絵本>
ご紹介する本はこちらです。



『十二の真珠 -ふしぎな絵本-』 著:やなせたかし
出版社:復刊ドットコム 価格(本体):1800円

アンパンマンの大ヒットで知られるやなせたかし先生。
しかし、自ら遅咲きとおっしゃるように、アニメ化される1988年頃まで一般的な知名度は低い作家でした。
この1970年発表の童話集には、12の短い話が収録されています。
童話ですが決して甘ったるい内容ではなく、どれも人の持つ悲しみや切なさを含んでいます。
中でも名作絵本『チリンのすず』、そして『アンパンマン』の原型となる話が印象的です。
『アンパンマン』は今の姿と全く異なり、ただの太りすぎのおじさん。子どもや本物のヒーローに蔑まれるほどです。それでも戦場へ飛んで行き飢えた人々へアンパンを届けますが、最後は砲撃を受け死んでしまいます。
『チリンのすず』は、両親を狼のウオーに殺された子羊チリンが、強く生き残るため、ウオーに弟子入りします。狼と見紛うほど強くなったチリンは、ウオーと共に羊小屋を襲う計画を立てますが、それは復讐の始まりでした。復讐を遂げた時、チリンは…。
他にも『ジャンボとバルー』は、戦争により食べるものがなくなったとき、みんなに愛された象・ジャンボを食べるかどうか、小さな国の王様が決断を迫られるという、シビアな話。
どの作品にも、きれいごとではない人の苦しみ・悲しみが真摯に描かれており、先生自身の戦争体験も背景に感じられます。
(<食><飢え>をテーマにされるのも、そこからきているように思います)
つらい現実から目をそらさず、それでも表現の持つ力を信じて発信し続けること。
そして照れくさいくらいの感動・ロマンチシズムを持ち続けること。
やなせ先生の作品からは、そんな信念を感じます。
アンパンマンなんて子供向け…と思わず、大人の方にこそ、原作絵本や、やなせ作品をお手に取ってほしいです。
きっと美味しいものを食べた時のように、心が満たされるはずです。

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