2015年12月24日木曜日

イベント?参加のご報告<全沖縄古書籍商組合・2015年末大市>&年末のご挨拶

こんにちは!ご無沙汰しております。
くじらブックスです。
クリスマスイブの今日、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
スーパー、おもちゃ屋さんはもちろん、新刊書店もきっと大忙しのはず。
くじらブックスは、特に影響もなくのんびり過ごしております(良いのか)。
前回更新時(12月初め)やっと冬らしい空気に…と言ったのに、今日はまた暑くじとじとした天気。
冬は苦手だけど、少しくらいは寒くなってほしい…。
そんな気になってきます。これからまたちょっとは寒くなるのでしょうか。
皆さまの地域はいかがでしょうか。

さて、私は先日<全沖縄古書籍商組合・2015年末大市>に参加しました。
本来古書組合員のみが参加できる「古書店同士の市」です。
(くじらブックスは今回ゲストとして参加)
以前2カ月に1度の<定例市>にもお邪魔しましたが、年末大市は出品点数最大、めまいがするような体験でした。
せっかくの大市体験、写真を撮り損ねたため文章のみですが、レポートしたいと思います。
長くなりますが、お時間のある時にでもご覧ください。

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全沖縄古書籍商組合・2015年末大市(12月19日)

事前にいただいた市の出品目録は、総出品数333点。
「値段の相場、欲しいタイトルをしっかりチェック!」と思っていたのに、怖気図いているうち日々は過ぎ、結局半分もチェックできず挫折。ええい、どうにかなる!と諦めて不貞寝。ぼんやりした頭で当日朝を迎える。

8時30分那覇高校前にて、神戸から参加「まめ書房」さんとおちあい、一緒に会場へ向かう。北中城への道すがら、お店のこと、前職のことなどいろいろお話する。先日伺ったお店の佇まいや雰囲気が、ご自身のさまざまな経験・趣味・思いが活かされているんだなあとしみじみ感じる。店舗や運営に試行錯誤中の身としては、何を聞いても面白い。

9時30分頃会場に着くと、すでに各店が出品準備中、小学校1クラス程度の室内が人と出品本で埋まり始めている。
通常の机だけでは足りず、板と椅子で即席テーブルが作られるも、全く足りない。あれよあれよと本が山積みされていく。
出品しない参加者は、お茶やお菓子の準備をしながら、うろうろと会場を歩き、あれはここにあるな、など目星をつける。
今回は県内古書店以外にも兵庫の「まーぶる書房」さんなども参加され、さらに物量がすごい。
10時頃大体準備ができたところで集合、揃って入札開始。
会場外に並んだ均一本から始まり、以降お昼まで談笑しつつみんな真剣に入札していく。

出品リストで覚悟はしていたものの、物としての本を大量に目の当たりにし、頭がくらくら。何度往復しても、目当ての本が見つからない。どれにいくら入札したか忘れそうで必死にメモ(結局入れ忘れ多数)。リストを見直しながら何度も会場内を歩き回り「あれも欲しいけど、これも欲しい」と心中唸りながら札を入れる。
会場は静かだけれど、確かにえも言われぬ熱気に包まれている。
共に初参加の「宮里小書店」副店長・綾羽さんも、見学だけのはずがいつの間にか沢山入札している。本の山を前にして見るだけではとてもいられないのが、本屋だ。

お昼休憩を挟み、最後の入札確認を終えて13時頃、ついに開札開始。
一つ一つ封筒から札を取り出し、値を確認、一番高い金額で落札となる。なにしろ333点(当日追加も含めればそれ以上)。やってもやっても終わらない。それでも、開札する「榕樹書林」武石組合長の横で、誰がいくら入れたか、結果いくらで落札されたか、ひたすら見る。出品の多くが沖縄本なので、今その本がどれだけの相場か、需要があるか、時折挟まれる先輩方のアドバイスも含め、本屋としてはそれだけで貴重な勉強の場になる。
考えすぎて思い切った入札額を書くことができず、逃した本も多数あり、メリハリのある入札ができるようにしたい!と反省しきり。
途中ケーキ休憩を含め、都合17時までかかりようやく開札終了。それから各々、落札した本・買い手がつかなかった本を再度まとめ、車に積み込む。さすが手慣れた古書店主たち、手際よくあっという間に終わる。
夢み心地のまま「まめ書房」さんとまた一路那覇へ。
数倍の重量になった車から伝わるハンドルの重さが、本を仕入れたという現実を感じさせる。
この本をまた誰かに手渡せるよう頑張りましょう、と語り合う。

20時頃から開催された打ち上げ兼忘年会でも、古書店の先輩方、県外の参加者の方々とお話する。
先輩方の苦労話や経験談はずしりと重く、ぼんやりしすぎの自身を顧み、反省。県外の方々から伺う経営方法は県内と異なる部分も多く、目から鱗で勉強になった。

本屋として、自分自身で考え、工夫し、選択しながら成り立たせてゆくこと。日を追うごとに、仕入れた本を見ていまさらながら、じわじわ実感が湧いてくる。
私はこれを誰かに手渡せる本屋でありたい。その場所を作りたい。
朝から晩までたくさんの本と人々に囲まれながら、覚悟と勇気を得た、充実した一日でした。

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<くじらブックス今後の予定>

先月から、くじらブックスは那覇市・牧志公設市場近く「市場の古本屋ウララ」さんで、週一回ほど店番兼コーナー設置をさせていただいております。



時期に合わせて毎週入れ替え、設置します。
年明け以降もしばらく継続予定です、那覇にいらした際はぜひ、ウララに来て一緒に覗いてみてください。
(ウララ店主・宇田さん、良い機会をありがとうございます)

くじら実店舗についても、年明け以降動き始めるかと思います。
来年中のオープン目指してこつこつ頑張りますので、そちらもぜひよろしくお願いします!
また、準備しながら出張販売・各種イベント参加・WEBストアも引き続き行います。
(販売・イベントのご相談受付しております。メール等でご一報ください)
そちらも都度レポートしてまいります。

さて。
何だかあっという間な一年が終わろうとしていますが、全く実感が湧きません。
ただ、たくさんの人・本に出会った記憶が、断片的ながら鮮明に思い出されます。
良い一年になった、それは何を置いても周囲の皆さまのおかげです。
来年もきっと良い年になる気がしています(楽観的)
そうなるように、自分自身が成長できるよう、じっくり頑張ってまいります。
そして何か一つでもお返しできる人であれたらと思います。
今後とも何卒、よろしくお願いいたします。

くじらブックス とけしみほ
kujirabooks.okinawa@gmail.com

2015年12月3日木曜日

イベント参加のご報告<沖映通り えきまえ一箱古本市>&次回イベント参加のお知らせ

こんにちは!ご無沙汰しております。
くじらブックスです。
あっという間に12月。2015年最後の月になりました。
皆さまも、忙しい毎日を過ごされているのでしょうか。
先日まで暑かった沖縄も、さすがに冷たい風が吹くようになりました。
少しずつ、迫る年の瀬を感じています。
さて。
先日に引き続き、くじらブックスはまたイベントに参加しました。
読書の秋を締めくくるにふさわしい「一箱古本市」について、ご報告いたします。

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沖映通り えきまえ一箱古本市(11月28日)


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▲「一箱古本市」とは
2005年から東京の谷中・根津・千駄木で行われている、「不忍ブックストリートの一箱古本市」から全国に拡がっている本のイベントです。

■概要
みなさんが持ち寄ったいろんな本を、一箱に思いを詰めて販売して頂きます!
美栄橋駅“えきまえ”から沖映通りに向けて、ジュンク堂横の歩道を通り約250mに及ぶ通り沿いで、60店舗の古本屋がズラリと出店!
是非この機会に、あなたの思い出の本、とっておきの本、おすすめしたい本、絶対に売りたくない本も?並べて店主となって楽しんじゃいましょう!

沖映通り えきまえ一箱古本市(FB)より引用
https://www.facebook.com/okieihitohako
↑当日の様子も写真たっぷり紹介されています↑

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那覇市牧志・沖映通り沿いにて行われる「一箱古本市」。
回を重ねるごとに好評を得て、今年3回目を迎えました。
誰もが一日限りの「本屋」になり、自分の蔵書から新たな持ち主へと本を手渡せるブックイベント。
くじらブックスもたくさん本を携え、参加させていただきました。


↑当日のくじらブックス↑
(右下にこっそり見切れているくじら柄の人物がとけしです…)

開催日はとても良い天気に恵まれ、老若男女皆さん楽しみながら往来を歩いて行きます。
スタンプラリーも開催され、子供たちがひっきりなしに走りまわり、本当ににぎやかでした!
くじらブックスもたくさんのお客様にご購入いただきました。
他のお店を回れなかったことだけが唯一残念でしたが、どちらも大賑わいだったことでしょう。
「自分も今度は出たい」という声もちらほら。
また来年も開催できますように。

尽力された実行委員の皆さん、沖映通り通り会の皆さん、参加者の皆さん、本当にお疲れ様でした!

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今後のイベント参加予定

★「まちぐゎー古本市」(12月12日)


那覇市牧志・市場中央通り琉銀前で開催される古本市。
「まちぐゎーイルミネーション祭り」の一環で、今年で3回目だそうです。
BOOKSじのん、小雨堂、ツボヤ書房、くじらブックスの4店舗と、向かい側で通常営業する市場の古本屋ウララ。
合計5店舗が一堂に会します。
年末の賑わいを見せる市場の雰囲気と共に、ぜひ古本もお楽しみください。

くじらブックスとしても今年最後のイベント!
良い市になるよう、素敵な本・楽しい本を揃えてまいります。
どうぞよろしくお願いいたします。

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また現在「市場の古本屋ウララ」さんにて、週1回(主に木曜日)店番をしています。
その際、色んな本を持って行き<くじらブックス>コーナーを展開しています。


↑今週は「白い本(&クリスマス)」↑

こちらも機会がありましたらぜひ、お立ち寄りください。

2015年11月24日火曜日

イベント参加のご報告<屋台村★古本市/丘のチャペルのおにわ市。 for 3.11.children.>&次回イベント参加のお知らせ

皆さま、こんにちは!くじらブックスです。
秋の3連休いかがお過ごしでしたでしょうか。
沖縄は連日晴れ、まさにイベント日和のお天気でした。
そんな中、くじらブックスは2つの古本市に参加しましたので、ご報告いたします。

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① 屋台村★古本市(11月22日)


今年、那覇市・国際通り(グランドオリオン跡)にオープンした「国際通り屋台村」。
たくさんの飲食店が軒を連ねる活気あふれる村で、初めて古本市が開催されました。
ちはや書房(那覇市)・小雨堂(浦添市)2店舗とご一緒に、くじらブックスも参加させていただきました。











屋台村中央にあるステージにコーナーを設置、展開。
お客様も通りがけにふらっと立ち寄り、飲食店とのコラボを楽しんでいただけたようです。
古書店主も会場に流れる三線の音色にゆれながら、楽しく参加できました。



左右からの光景。
雰囲気や品揃えも店それぞれ、じっくり見て回る方も多くいらっしゃいました。

国際通りの新たなくつろぎスポットとして「屋台村」が親しまれますように、と願いつつ。
今後も古本市や本のイベントが開催されると、嬉しいなあと思います。
ご来店いただいたお客様、屋台村の皆さま、楽しい一日をありがとうございました!

② 丘のチャペルのおにわ市。 for 3.11.children.(11月23日)


今回で13回目を迎える、子どもたちのための手作り市。
雑貨・工芸品や、素材にこだわった飲食店など70店舗が勢ぞろいした中、古書では前日と同じ3店舗が参加しました。

ご家族・お子様連れの方が多く、屋台村とはまた違った雰囲気を楽しみつつ過ごさせていただきました。




↑ くじらブックスコーナー ↑

たくさんの子どもたちが本を読んだり買ったりする光景を見ていると、暗いニュースに沈みがちだった気持ちがスッキリしてくる気がします。
(八重瀬町の小学校で読み聞かせボランティアを見学した時も思いました)
離れた場所にいる人々に思いをはせながらも、日々成長している彼・彼女たちと共に、目の前の毎日を自分なりの一所懸命で過ごす。
目の前にいる人たちに1冊の本を手渡せる毎日を大切にしよう、と。
自分の仕事や立ち位置を改めて捉え直した一日でした。

ご来場のお客様、主催者の方々、参加者の方々、皆さまありがとうございました!
また2日間ご一緒した、先輩古書店 ちはや書房小雨堂 両店舗には、特にお世話になりました。
先輩方それぞれの素敵なお店にも、どうぞ皆さまご来店ください。

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八重瀬町に建てるくじら実店舗についても、お問い合わせ・お声かけいただく機会が増え、嬉しい限りです。
来年2016年の開店に向け、こつこつと準備しております。
どうぞこれからも、くじらブックスをよろしくお願いいたします。

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今後のイベント参加予定

★「沖映通り えきまえ一箱古本市」(11月28日)


定番となってまいりました、那覇市・沖映通りで開催される「誰もが一日だけ本屋になれる!」一箱古本市。
いよいよ今週末です。
老若男女・60店舗が各々本を持ち寄り、通りに並びます。
くじらブックスも店主として参加します!
町に出て、本を楽しめる一日。ぜひ!お立ち寄りください。

★「まちぐゎー古本市」(12月12日)


那覇市牧志・市場中央通り琉銀前で開催される古本市。
「まちぐゎーイルミネーション祭り」の一環で、今年で3回目だそうです。
BOOKSじのん、小雨堂、ツボヤ書房、くじらブックスの4店舗と、向かい側で通常営業する市場の古本屋ウララ。
合計5店舗が一堂に会します。
年末の賑わいを見せる市場の雰囲気と共に、ぜひ古本もお楽しみください。

年末までもう少し、どちらも忙しい時期になりますが、お見かけの際にはどうぞよろしくお願いいたします。

2015年11月19日木曜日

<WEBストア>新入荷紹介 『茨木のり子詩集 落ちこぼれ』(理論社)

<WEBストア>4タイトル追加しました。(総登録数:103)

古書:『妻を帽子とまちがえた男(サックス・コレクション)』 著:オリバー・サックス 訳: 高見幸郎、金沢泰子
古書:『STILL A PUNK―ジョン・ライドン自伝』 著:ジョン・ライドン
古書:『村上レシピプレミアム 村上レシピパート2』 編:台所でよむ村上春樹の会
古書:『茨木のり子詩集 落ちこぼれ』 著:茨木のり子 選・著:水内喜久雄 絵:はたこうしろう

その中からこちらをご紹介します。


茨木のり子詩集 落ちこぼれ』 
著:茨木のり子 選・著:水内喜久雄 絵:はたこうしろう
出版社:理論社
販売価格:700円 詳細は<WEBストア>

研ぎ澄まされた言葉一つ一つが連なる。心に刺さり、それでいてやさしく温かい。
そんな詩を残していった、茨木のり子。
「わたしが一番きれいだったとき」「倚りかからず」などさまざまな場所で引用され、今では谷川俊太郎のように現代を代表する詩人と言っても過言ではない。
彼女の詩集から、若い読者に向けて選ばれた33編が収録された本書。

精密な受信機はふえてゆくばかりなのに
世界のできごとは一日でわかるのに
”知らないことが多すぎる”と
あなたにだけはは告げてみたい。
(「知らないことが」より引用)

読めば読むほど、自分の体に溶け込み、血や肉となる。そんな言葉が沢山詰まっている。
今生きるためにこそ、詩が必要なのだと実感させられる。

茨木のり子を知らない人には初めの一冊として。
知っている人にも、代表作とされる作品以外に今一度、心を傾けるために、手に取ってほしい一冊。


2015年11月4日水曜日

<WEBストア>新入荷紹介 『弱いから、好き。』長沢節(文化出版局)

<WEBストア>3タイトル追加しました。(総登録数:61)

『弱いから、好き。』 著:長沢節
『オシャレ泥棒』 著:中森明夫
『少年動物誌』 作:河合雅雄 画:平山英三

その中からこちらをご紹介します。


『弱いから、好き。』 著:長沢節 出版社:文化出版局
販売価格:1500円(絶版) 詳細は<WEBストア>

長沢節氏を知ったのは、昨年。
タイトルに惹かれ、別のエッセイ集『大人の女は美しい』文庫版を買った。
購入して後、美術学校「セツ・モードセミナー」主宰であったこと、もうすでに亡くなっていることを知る。
しかし、それは本書を読んでいるときは全く気にならない、必要ない情報だとも思う。
ピン!と音が聞こえるほどまっすぐな、読み手まで貫くような氏特有の<美学>は、時間も空間も超え紙面から語りかける。
男性も女性も越えた<美>に対する視点。とても魅力的だ。
好きなもの、嫌いなもの、美しいもの、汚いもの、あらゆるものをあらゆる場所で、敏感に捉える感性が素直に表現される。
添えられたイラストも繊細で良い。
こんな世界があるのだなあと、ついつぶやいてしまう。
<美>に生きる人の表現を読むと、こんな対極に生きる自分でさえ、少し、生き方を顧みる。
映画・ファッションに興味ある人は、特に刺激を受けるはず、オススメの1冊。

2015年11月3日火曜日

11月のイベント参加予定&今後のブログ更新について

くじらブックス、11月もイベント参加いたします!
決定済の3つをご紹介。
お近くにいらっしゃる際は、ぜひご来場ください。

①屋台村☆古本市~昼下がりの屋台村で古本ざんまい♪
 11月22日(日)11時~17時 場所:国際通り屋台村
 参加店舗:小雨堂・ちはや書房・くじらブックス


 ランチ・食事を楽しみつつ、古本もいかが?
 屋台村初の古本市、女性店主3人がお待ちしております。

丘のチャペルのおにわ市。for 311 children Vol.13
 11月23日(月・祝)11時~16時
 場所:沖縄キリスト教学院キャンパス中庭
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雑貨屋さん、パン屋さん、食べ物屋さん、珈琲屋台etc.が、ズラリ70店舗、かわいい丘の上のキャンパス中庭に立ち並ぶ手作り市。
2011年より『for 3.11children』として、春と秋の年2回開催。
イベントの収益や会場での募金、駐車料金(1台300円)は、全て東日本大震災で被災した子どもたちのもとへと届けます。
(主催者ブログより引用)
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古書店だけでなく、さまざまなお店が参加するイベントです。
詳細はこちらでご覧いただけます→丘のチャペルのおにわ市。for 3.11children.公式blog

沖映通り えきまえ一箱古本市
 11月28日(土)11時~16時 
 場所:那覇市牧志 沖映通り~ゆいレール美栄橋駅 駅前広場
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今年も沖映通りで「あおぞら古本市」を開催します。
みなさんが持ちよったいろんな本を、一箱に思いを込めて販売して頂きます!
ジュンク堂書店前の歩道から約250mに及ぶ沖映通り沿いで、60店舗の古本屋さんがズラリと出店!
思い出の本、とっておきの本、おすすめしたい本、絶対売りたくない本も?
並べて店主となって楽しんじゃいましょう!
(主催者FBより引用)
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※出店者募集は終了しています※
一人一人が本屋になって楽しめる、あおぞら古本市が今年も那覇市・沖映通りで開催!
まち歩きしながら、本との出会いを楽しめます。
掘り出し物探しに、お散歩ついでに、ぜひお立ち寄りください。

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>その他(登壇者として参加)


OMAR BOOKS公開読書会 vol.3番外編
『 独立研究者 森田真生さんと漱石を読む 』
11月15日(日)18:30~(申し込みはOMAR BOOKSさんへ)

他にもイベント含め、いくつかメディア等、出させていただくかもしれません(予定)。
お見かけの際は、何卒よろしくお願いいたします。

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まだ店舗を持たない「くじらブックス」。
さまざまなご縁から、想像もしないスピードで動き始めることができました。
自分自身、当初は様子を見ながらいこうとのんびり構えていました。
しかし、良い意味で予想を裏切る、慌ただしくも楽しい毎日。
未熟さに焦りつつ、いただいた機会を精一杯活かし、来年の店舗開店まで走っていこうと決めました。

毎日更新のブログは、最低でも今年いっぱい続けるつもりでしたが、今後は

●WEBストア 新入荷商品のご紹介
●参加イベントご案内・ご報告

をメインとさせていただきます。
覗いていただいていた皆さま、中途半端な形になり申し訳ありません。
本の紹介はできる限り、週に数回を目標に続けていけたらと思っています。

直接相対して本をお渡しできるイベント、「くじらブックス」をより具体的に感じていただけるWEBストア。
各々を充実させるため、仕入れ・ストア更新をしっかりしていく所存です。

どうぞこれからも「くじらブックス」をよろしくお願いいたします!

くじらブックス・とけし

イベント参加のご報告<はいさい!古本市/南部商業高校ブックトーク/公開読書会「漱石とわたし」>

皆さま、こんばんは!
長らくご無沙汰しておりました~、くじらブックスです。
前回のブログ更新から約20日…。
『漱石まつり』を宣言しながら、一度も感想を上げられず、申し訳ありませんでした…。
(私自身はずっと漱石まつり状態でした…)
遅まきになりますが、この間のイベント3つについてご報告させていただきます。
よろしければご覧ください!

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① はいさい!古本市(10月17・18日)


今年で3回目!となりました、ゆいレール牧志駅前広場(さいおんスクエア前)での古本市。
県内古書店7店舗(BOOKSじのん・ コザすばる書房・小雨堂・おきなわ堂・ツボヤ書房・ちはや書房・市場の古本屋ウララ)&宮脇書店那覇国際通り店が集い、にぎやかに開催されました。


天気にも恵まれ、連日たくさんのお客様がご来店くださいました。

くじらブックス・とけしは「市場の古本屋ウララ」さんのお手伝いとして2日間参加、2日目には机1台分のスペースに「くじらブックス」として出品もさせていただきました!


↑くじらコーナーをご覧になるお客様↑

初めての選書や準備に四苦八苦しつつ、選んだ本を直接販売できる幸せを、久々に味わうことがきました。
ご来店ご購入いただいた皆さま、本当にありがとうございました!

また、沖縄本をはじめあらゆる古書の取り扱いについて、各店先輩方からたくさん勉強させていただきました。(その後、古書組合同士の市にも参加させていただきました)
ウララ・宇田さん、じのん・天久さんはじめ、やさしくオープンな先輩方、心から感謝いたします。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします…!

② 南部商業高校ブックトーク(10月21日)

南部商業高校・図書館主催「図書館をもっと盛り上げよう!」という読書週間校内イベントに、くじらブックスも「ブックトーク」で参加させていただきました。
(ボーダーインク・新城さんのご紹介です。ありがとうございます!)
『本の楽しみ方』と題して、オススメPOPの書き方、本の流通の仕組み、一箱古本市・読書会などの参加型イベント、これから八重瀬町で開店する予定のくじらブックスについて…等々。
お昼休みの約20分、緊張しつつお話しました。
図書委員を中心に、一般の生徒さん・先生方のご参加も。
じっくりしっかり聞いていただけたようで、嬉しかったです。
終了後、一箱古本市のチラシを持って行ってくれたり、「いつ開店するんですか」「楽しみです」と声もかけていただき、じんわり感動。
こちらが元気とやる気をもらえた1日でした。
良い機会を与えていただいた商業高校の先生方、新城さん、ありがとうございました!

③公開読書会「漱石とわたし」(10月31日)


北中城村・OMAR BOOKSさんにて開催された公開読書会「漱石とわたし」に、登壇者の1人として参加しました。

通常1冊の本を読了した者同士が少人数で語り合う<読書会>。
もっと参加しやすい、敷居の低いものにしたいというOMAR・川端さんの発案から始まった<公開読書会>。
今回は「夏目漱石」という作家を7人の登壇者各々が読み、出会い、語り合いました。

(OMAR BOOKSブログにて当日の模様が紹介されています
 →公開読書会「漱石とわたし」終了いたしました◎ →反芻中。

私は後期作品『道草』、自選講演集『社会と自分』を紹介。
語りながら、漱石を身近な先生のように話す自分に気づき、不思議な気持ちになりました。
個人として至らない部分(もっと読んでおくべきだった…)も多々あり。
それでも、参加者の方々からのお言葉も重なり、最終的には一人では行き着けない、さまざまな角度から見た「夏目漱石」に出会えた気がします。とても楽しい時間でした。
ご参加いただいた皆さま、本当にありがとうございました。
そして毎回挑戦の場を作ってくださるOMAR BOOKS・川端さん、登壇者の皆さん、本当にお疲れ様でした。
読んだ人も読んでいない人も本と読書に親しむ、という試み。
これからさらに面白くなってゆくことと思います。

…実はすでに次回開催も決定しています!


OMAR BOOKS公開読書会 vol.3番外編
独立研究者 森田真生さんと漱石を読む
11月15日(日)18:30~(申し込みはOMAR BOOKSさんへ)

もし興味を持たれた方は、ぜひこの機会にご参加ください。
私はまだまだ漱石先生との旅を続けようと思います。

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以上、長くなりましたがイベント参加のご報告でした。
どのイベントもとても楽しく、やりがいある日々。
始ったばかりの形のない本屋にさまざまな機会をいただけること、本当にありがたく思います。
今月11月もすでにいくつかイベント参加決定していますので、次の記事でご案内させていただきます。
そちらもどうぞよろしくお願いします…!

2015年10月13日火曜日

ブログ更新について&(勝手に)『夏目漱石まつり』開催!

こんにちは!くじらブックスです。
皆さまいかがお過ごしでしょうか。
着々と秋の気配がしている沖縄、まだまだ昼間は日焼け注意の日差しです。
私は旅で黒く焼けてしまい、見た目が暦と逆行してしまいました。
いつになれば白くなるでしょうか…。

昨日「八重瀬町立具志頭歴史民俗資料館(港川人&謝花昇)」「世名城のガジュマル(沖縄一の巨木)」を見学、八重瀬を満喫して帰宅したら、いつの間にか眠ってしまい、ブログ更新できませんでした…。
そして改めて、イベント参加などを考慮し、今月後半のブログ更新についてお知らせいたします。

題して『夏目漱石まつり 読破への道』!!
漱石作品を読む『まつり』を(自分の中だけで)開催、ブログにて感想を公開させていただきます。
理由としては下記イベントへの参加がきっかけ。

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公開読書会
<漱石とわたし 一人の作家から多様な読み方を知る>

来年生誕150年を迎える作家・夏目漱石を題材に、県内の読者を交えた公開読書会『漱石とわたし』を書店OMAR BOOKSで開催いたします。
 登壇者それぞれが選んだ漱石作品を持ち寄って「わたしは漱石をこう読んだ」といった各自の視点から語り合って頂きます。
偉大な古典作品を皆で読む楽しみを共有する公開読書会を観覧してみま せんか?
まだ漱石作品を読んだことのない人も、読んで挫折した、とい う人も、これから読みたい!という人、読書会ってどんなものだろう? と興味のある方など、どうぞお気軽にご参加下さい!!


→ 申込みはOMAR BOOKSさんへ

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今月31日(土)開催されます公開読書会に、くじらブックス・とけしもパネラーとして参加いたします。

しかし!学生時代読んだのも数作、記憶も曖昧…ちょっと読んだだけで語るには、さすがに漱石先生はもったいない。
ということで、改めて代表作を中心に、できる限り漱石作品を読了し、感想をブログにて公開、読書会に備えたいと思います。
(更新は数日毎のペースになる予定)
腰が重い私、自らハードルを上げていきます!
通常の本紹介はなくなりますが、しばらくこの試みにお付き合いいただけますと幸いです。
そしてもし興味をもっていただけましたら、31日の公開読書会にもご参加いただき、皆さまの漱石(イメージ、思い出なんでもOK)についてお話しできればと思います。

それでは。
次回「吾輩は猫である」より(勝手に)『夏目漱石まつり』よろしくお願いいたします!

くじらブックス・とけし

2015年10月12日月曜日

秋空を仰ぐ&本紹介(日:勝手に選書!)「コーヒーを楽しむ本・初心者編」

こんばんは!くじらブックスです。
連休中日、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
私は31日に行われる読書会(OMAR BOOKS「漱石とわたし」)のミーティングなど出かけておりました。移動の車中から見える空は薄青く、高く、すっかり秋の色。差し込む日差しはまだまだ暑いのに、気分も秋めいてきました。
先日京都の親戚から栗をいただいてもりもり食べたことですし、そろそろ衣替えをしようか(また暑くなると困りますが)読書もさらにはかどる…かな。
皆さまは秋、感じてますか?

ブログでは毎日、曜日ごとにテーマを決め本をご紹介しています。
※気になった方は、お近くの書店・図書館、または
※kujirabooks.okinawa@gmail.com までご連絡ください

日曜日は<勝手に選書!>
今日は「コーヒーを楽しむ本・初心者編」
朝の忙しい食卓、休日の穏やかな午後、あらゆる時にも気持ちを落ち着かせてくれる飲み物、コーヒー。
初心者の私でも、わかりやすい!親しみやすい!と感じたオススメ3冊(+おまけ1冊)をご紹介します。



①『コーヒーの絵本』 著:庄野雄治 絵:平澤まりこ

出版社: ミルブックス 価格(本体):1000円

シンプルな文章と丁寧なイラストで書かれたおしゃれな絵本。
小さいながら、コーヒーができるまでの流れ、豆の種類・焙煎・道具の説明、淹れ方の基礎知識までちゃんと収められている。
(実際我が家ではこの本を参考に淹れています)
何よりコーヒーを淹れる楽しみ、豊かさを伝えようとする雰囲気が紙面から溢れている。

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コーヒーは、絶対に必要なものではない。
だけど、おいしいコーヒーがあるだけで、
日々のくらしはずっとゆたかになる。
自分の好きなコーヒーが、家でいれられるようになる。
それだけで毎日は変わるんだ。
(p47より引用)
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まさに初心者に最適の1冊。



②『Pen 2014年 10/15号 [おいしいコーヒー] 』 
出版社: マガジンハウス 価格(本体):602円

前出の本と共通するコーヒー基礎知識に加え、「サードウェーブ」と呼ばれるコーヒーショップ・スタンドの新しい流行について、詳しく取材されている。blue bottle coffeeなど、今話題のショップは何が新しいのか?これからのコーヒーはどうなる?と、消費者側にも勉強になるはず。
また、道具や淹れ方・焙煎の記事を読み、自宅でワンランク上の味に挑戦するのも面白い。
初心者から中級者まで使える1冊。



③『47都道府県の純喫茶 愛すべき110軒の記録と記憶』 著:山之内遼 
出版社: 実業之日本社 価格(本体):1500円

自分で淹れるよりプロの味を楽しみたい時、手に取るのがガイドブック。
最新のカフェ本もいいけれど、一見地味に見える地元の喫茶店、各々が持つ物語を楽しむのも良い。
この本は、全都道府県で長く愛され続けてきた「純喫茶」110軒を取材、収録している。
他のガイドと異なるのは、店主たちの言葉、思い出も少しずつ書かれているところ。カタログ的な情報だけでなく、そこにいる人々の姿、店の雰囲気まで感じられ、自分もその店に座っているような親しみが湧いてくる。
提供される商品だけでなく、人と心地よさを共有することで記憶に残り続けていく。そんな店が、名店なのだと教えてくれる。
自分も大切な場所を見つけたくなる、味わいある1冊。

おまけ


☆『Coffee Hunting Note 100カップログ』 著:川島良彰 
出版社: 世界文化社 価格(本体):1100円

飲んだコーヒーを記録できる新発想の「テイスティングノート」が面白い。日付・場所だけでなく、<香り><酸味><苦味>…などを円グラフにして可視化、より具体的に100軒分の味を記録できるようになっている。
コーヒーの生産地・銘柄の解説、おいしい淹れ方など基礎知識ページも豊富で、初心者にもやさしい。
初心者も上級者も使える手帖。カフェ巡りのお供にぜひ。

2015年10月11日日曜日

秋の訪れ(?)&本紹介(土:ノージャンル)南伸坊『仙人の壺』

こんばんは!くじらブックスです。
皆さまいかがお過ごしでしょうか。
沖縄は急に気温が下がり、肌寒い一日でした。
家の建て替え(&くじら店舗建設)のため、家族で知人宅へ見学・相談に伺いましたが、雨風が吹き付けて寒い。
「20度以下は寒い」と言うと本土の人に笑われますが、夏の30度から10度以上下がれば、そう感じるのも当然では。
このまま秋から冬へと移っていくのでしょうか。季節が気になるこの頃です。

ブログでは毎日、曜日ごとにテーマを決め本をご紹介しています。
※気になった方は、お近くの書店・図書館、または
※kujirabooks.okinawa@gmail.com までご連絡ください

土曜日は<ノージャンル>
ご紹介する本はこちらです。



トイレで本を読むか、読まないか。
人それぞれに主義・主張・習慣があるかと思います。
我が家のトイレにはタンク上付近に棚があり、雑多な本が入れ代わり立ち代わり並んでいます。各々読みかけの本が多いですが、私は家族がどんな反応をするか見たいとき、こっそり並べてみたりします。
そこで飽きられることなくずっと並び続ける定番が本書です。

ガロの編集者から始まり、イラストレーター、漫画家、エッセイスト、装丁家などなど、あらゆる肩書きを持つ”おにぎり頭のおじさん”南伸坊。
著者が大好きな<中国古典怪奇譚>を元に描く、16の短編漫画と解説集。
独特のユーモアと時折艶っぽい絵柄に、とぼけたようで鋭いつっこみ解説があわさり、読んでいて楽しい。四足の蛇を倒して姿が見えなくなる(「蛇足」の由来)話や、異貌の乞食が吐いた淡が金になる話など、どれも印象に残るエピソードばかり。日本の怪談・昔話にも通じるようで、興味が尽きない。
そして何より、長さがトイレで読むのに丁度良い。
狭いトイレ空間から一瞬で異世界へワープさせてくれる、面白くて味のある1冊。
ぜひ気軽に手に取って楽しんでみてください。あなたもハマるかもしれませんよ。

2015年10月10日土曜日

おいしい体質(?)&本紹介(金:沖縄本)海野文彦『復帰前へようこそ おきなわ懐かし写真館』

こんばんは!くじらブックスです。
皆さまいかがお過ごしでしょうか。
私は今日も家で作業などしていましたが、ちょっと困ったことが。
やたらと蚊に刺されてしまうのです。特に足。
かゆみが引いたと思ったら刺され、引いたと思ったら刺され…。
今までそんなに刺されやすい気もしていなかったのですが、体質が変化したのでしょうか。そんなことがあるのでしょうか。
困ったなあとつぶやきながら、過ごす日々です。

ブログでは毎日、曜日ごとにテーマを決め本をご紹介しています。
※気になった方は、お近くの書店・図書館、または
※kujirabooks.okinawa@gmail.com までご連絡ください

金曜日は<沖縄本>
ご紹介する本はこちらです。



1972年5月15日。
沖縄の統治権がアメリカから日本へと移り「復帰」した日。
リアルタイムで体験した父母・祖父母世代の沖縄県民にとって、忘れることのできない転換点だったという。
この日を境にさまざまなことが変わり、街や風景も変わっていった。

しかし<復帰後>世代の自分にとって、<復帰前>は昔話で聞くだけの、どこか遠い世界のように感じていた。
本土とほぼ変わらない文化を享受する現代、アメリカ統治下を想像するのは難しい。
(基地近辺の土地ではおそらく名残があるだろうけれど)
この本は、復帰前の写真をたくさん集め<こども・暮らし・交通>と分類し収録している。
当時のこどもたち・人々の生活風景、懐かしい食べものやお菓子・乗り物など、知らなかった景色をビジュアルで見ることができる。
父や母は「ミッキージュース」「ワシミルク」「水上店舗」「1号線」…どの写真を見ても懐かしく、当時のことがあれこれと思い出されるようだ。
その話を聞きながら一緒に写真を見ると、知らなかった世界が現在とつながっている、「<復帰前>と今が地続きである」と、やっと感じられてくるのだ。
一見何気ないような風景写真が、保存され、後年参照されることで、過去を継承していく。
さまざまなものを失っても、人々の記憶や体験は、共有することで受け継がれてゆく。

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復帰前を知る世代には、写真を見てそれぞれの「あの日の沖縄」を思い起こしていただいたり、若い世代には、自分たちの父母、祖父母が通ってきた日々を話題にしてもらえればと思います。あわせて、これらの写真を通して、当時の沖縄を照らしていた日の光や、吹いていた時代の風のようなものを感じてもらえるなら、うれしいかぎりです。

(p4 はじめに より引用)
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著者の言葉通り、世代の懸け橋となる1冊。ぜひ家族で読み語り合うことをオススメしたい。きっと話に花が咲くことだろう。

2015年10月9日金曜日

日々再開&本紹介(木:文芸・詩) 佐藤 伸治(フィッシュマンズ)詩集『ロングシーズン 〔新装版〕』

こんばんは!くじらブックスです。
皆さまいかがお過ごしでしょうか。
北海道は台風の影響が大きいようで、心配です。
これ以上の被害がでないよう、願っております。

私は一昨日旅から戻り、各種手続きの後は、ひたすら本の整理と登録をしています。
溜まっている本をWEBストアにアップしていますので、ご覧いただければ幸いです!ご注文も承ります。
また、来週はイベントもお手伝いさせていただく予定。
詳細が決まりましたら告知いたしますので、そちらもどうぞよろしくお願いいたします。
これから日々コツコツ、でも確実に進んでいけるようちばりますー!

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※気になった方は、お近くの書店・図書館、または
※kujirabooks.okinawa@gmail.com までご連絡ください

木曜日は<文芸・詩>
ご紹介する本はこちらです。




佐藤伸治は、90年代に活躍したバンド<フィッシュマンズ>のボーカリスト。
一度聴いたら忘れられない高い声、どこか現実離れした歌詞、ダブやレゲエを取り入れた優れたポップミュージック。
フィッシュマンズの音楽性は日本で類がなく、99年に佐藤が亡くなって以降も、バンドのファンは増え続けているという。
私も中学生の時に出会ってから、高校・大学・社会人と現在に至るまで聴き続けてきたが、決して飽きることがない。
(真夜中の世田谷を、フィッシュマンズを聴きながらさまよったことさえある)
聴けば聴くほど、自分の気持ちが過去へ遡ってゆくような不思議な心地よさ。なぜか10代の時からそんな気持ちになった。
人の中にある根本的な<回帰>感覚を引き出すのかもしれない。
そこには彼らの音楽が持つグルーヴ感・ループ感と、佐藤独特の歌詞世界が核になっていると思う。
この詩集を読むと、シンプルなだけに、よりイメージは鮮明になる。

「MELODY」という歌詞(歌詞サイト参照。引用は控える)で<一人音楽を聴いている薄暗い部屋に窓から光が差し込む>という情景描写がある。
その時<一瞬にして昔の記憶が蘇っては消え、幸せと喜びと悲しみが入り混じる>。
音楽に対する強い愛情と、一瞬で消えてつかめないという悲しみが、自分の幼い時と重なり、泣きそうになる。
(私が本や音楽、創作物に求める揺さぶられるようなイメージの原点は、まさにこれだったりする)
誰の心にもある懐かしい<記憶>を呼び起こす力を、佐藤のことばとフィッシュマンズの音楽は宿している。

全ての人が好まなくとも、一生胸に抱き思い出し続ける人がきっといる。そんな時代を越える1冊だと思う。
機会があれば、彼らの音楽と共に手にしてみてほしい。

2015年10月7日水曜日

本を求めて旅日記<九州編> 8-9日目 佐賀②ダイジェスト版

おはようございます!くじらブックスです。
暑い日が続きますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
私は昨日沖縄に帰ってきました。
佐賀のホテルにwifiが入らず更新ができなかったため、旅日記が尻切れにとんぼになってしまいました。
最後は普通に観光しただけだったのですが、ダイジェスト版として写真をあげさせていただきます。
よろしければ旅気分でご覧ください!

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10月5日(月)&6日(火)

伊万里駅から「秘窯の里・大川内山」へ行きました。
伊万里焼の中でも「鍋島」(主に献上品・贈答品)をつくらせるため、藩が住まわせた土地だそう。
現在も集落に窯元が集まり、生活されています。





















当時集められた陶工の中には無縁の者も多く、集落入口には無縁仏の墓が祀られていました。


大分で収穫時期の田んぼに感激しましたが、佐賀も負けずに稲穂が輝いてましたよ。
ホテルのお米も美味しかった。


話題の「武雄市立図書館」にも行ってきました。思うことはいろいろ。
一言で言うと「図書館は誰のための施設か。至急、考え直し行動しなければいけない」
他人事ではなく、自分にも関係あることとしてとらえなければと思います。

その後、すぐ近くにある武雄神社で「武雄の大楠」を見学。
推定樹齢三千年(!)、日本の巨木ランキングで7位になるほどの大きさとのこと。


人っ子一人いない神社、奥に広がる暗い竹林を通り抜け


遭遇したのは、言葉にできないほど圧倒的な存在でした。
魂が抜けるほど恐ろしく、美しかったです。
うわーっとなりましたが、帰り道引いたおみくじは良い結果でなんだかほっとしました。

翌日、有田の「九州陶磁文化館」へ。
展示入れ替え中のため2室しか見学できませんでしたが、それだけでもたくさんの名品を目にして、無知ながら感動。
良いものは知識がなくても心を動かすのだと実感しました。
展示内容も丁寧で、初心者にもわかりやすい、すばらしい博物館です。
写真撮影可だったので、たくさん撮ってしまった。すごかった。
またぜひ行きたいなあ…。
そしてもっと焼き物について知りたいと思いました。
















そして福岡空港へ行く帰りがけ、天神の「ジュンク堂書店福岡店
天狼院書店福岡店(福岡天狼院)」「ブックスキューブリックけやき通り店」に寄りました。
ここでもいろいろ思うことあり。また機会があれば追々書きます。

さらにいろんなことを知りたい、挑戦してみたい!と思える良い旅でした。楽しかったです。
お世話になった皆さま、本当にありがとうございました。
明日の分からは通常通りの本紹介更新になります。
今後ともよろしくお願いいたします!

2015年10月5日月曜日

本を求めて旅日記<九州編> 6-7日目 大分②&佐賀

おはようございます!くじらブックスです。
皆さまいかがお過ごしでしょうか。
大分1日目、若干考えすぎ?なブログを書いてしまい、ちょっと反省しております。
後で恥ずかしくなりました…。
あれだけ考えた翌日、なにをしていたかと言うと、ぶらぶら~っと遊びまわっておりました!

…とここまで書いて更新がさらに遅れてしまったので(書くのが追いつかない!)、遊んでいた大分2日目はさらっと終えまして、考えた色々は翌日・佐賀の日記とまとめようと思います!
ので、長いですが…2日分どうぞご覧ください~

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10月3日(土)

昨日にも増して晴れた大分・別府。
早起きしてどこへ出かけたかというと。



遊園地でも動物園でもありません。
<地獄>。地獄です。
しかし、死後悪いことをして行くあの場所ではなく、<大分県別府市に多数存在する様々な奇観を呈する自然湧出の源泉>をそう呼んでいるそうです(出典:wikipedia)。
その<地獄>8カ所を回るバスツアーに参加してみました。


いわゆる源泉を巡るため温泉には入らず(足湯くらい)、ぐつぐつ湧く色んな色の湯を見物したり、さまざまな動物たちを見学したり(なぜかアマゾン産多し)する、温泉地の楽しみですね。
明治・大正時代、実業家の油屋熊八が別府の観光に尽力した際つくったとのこと。
朝のテレビ番組で”農業品のブランディング(参照:wikipedia)”について特集していたのを思い出し、これも観光地のブランディングだよなあと感心しました。中国人観光客も多く(大型フェリーがよく寄港するらしい)、まわりやすい観光地・しくみが既にあるというのは、地域にとっては大きなプラスだろうなあと。
温泉と一緒に物珍しいものを見る、昔ながらの味が残る施設。その伝統を面白がって拝見しました。

大分は国東半島や竹田市など見るべきところが多く、とてもまわりきれなかったので、ぜひ再度訪れたい場所です。去年から始まったブックイベント<ぶんぶくまつり>なども、盛り上がりが楽しみです。

その後、福岡へ移動。別府(福岡)・六本松の「古書店・徘徊堂」さん、「金修堂書店」さんを見学しました。
本屋に関して考えたことは佐賀編にて。

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10月4日(日)

朝一で福岡から佐賀へ移動、今回の旅メインイベント<BOOKマルシェ佐賀2015・一箱古本市>に参加しました。

その準備前、マルシェ参加店でもある「子どもの本屋 ピピン」さんへ。自己紹介し、少しお話を伺いました。
こちらは12年前、20数年続いた書店が廃業すると知り、地元有志がNPOを立ち上げ、運営を始められたそうです。仕入れが難しいタイトルもある、売上も厳しい、とおっしゃっていましたが、司書の方が多く協力する読み聞かせイベントなど積極的に開催されています。地元の子どもたちに良質な本を届けたい、という強い思いが店頭からも伝わってきました。

10時半に受付を終え、ぱたぱたと古本市の準備を始めていると、ぞくぞくとお客様が集まってきます。


写真以外の広場や通りも、親子連れ・ご年配の方々など本当にたくさん!個別の関連イベントや飲食店にも集まっている様子。
イベント自体が今年7年目だそうで、一般にも大分認知されているのが感じられました。


↑ くじらブックス店頭 ↑

事前に荷物を発送、本当に一箱分だけの在庫だったので、見える本全てにPOPを付けるなどちょこちょこ工夫。
ボーダーインクさん提供のバーゲンブックやその他沖縄本も産地直送をアピール!
すると、結構興味を持って見てくださったり話しかけてくださったり。ちょこちょこ購入もしていただけました(沖縄出身の女性、辺野古へもいらしたことがある市議の方など)。
特にご年配の女性が「こんな本なかなか見る機会がないから面白いね」と買ってくださり、来た甲斐があったとしみじみ嬉しかったです。
そして、真ん中に置いている『桜島!まるごと絵本』。実は旅の1日目、鹿児島の新刊書店で購入した鹿児島の県産本です。まだ熟読していませんでしたが、かわいらしく良い本なので「佐賀の子どもたちも興味を持ってくれそう」と安く出していました。実際たくさんの子が見てくれて、よかったなあと片づけしていると「あの桜島の本残ってますか!?」と、一人の女の子が戻って買っていってくれました。
数は少なくとも、他県について興味を持ち知りたいと思っている人がいるという事実を、改めて実感した1日でした。

ホテルに帰る途中立ち寄った佐賀駅の「積文館書店佐賀駅店」郷土本コーナーで『佐賀文学』という文芸同人誌を発見、購入。新聞の紹介記事も掲示されていて<佐賀オスプレイ配備について反対する老人の小説>掲載と読み、ハッとしました。佐賀の方が沖縄に関心を寄せてくれる一因には、基地問題の共感もあったのかもしれない、と。不勉強な私はいまさら思い至ったのです。

今回、九州旅で実感したのは<それぞれの土地に暮らす人々がそれぞれに地元を愛し、地元で一生懸命働き、また他県にも興味をもっている>という至極当たり前のこと。しかし、普段は改まって考えないことでした。九州各県が持つ資源の大きさと可能性は、これからもっと重要になってくるでしょう。またきっと訪れたいと本当に思っています。
そして沖縄も土地が持つ潜在的な人、資源を活かせたら良いなあと思いました。

別途本屋関係について。
BOOKマルシェにトークイベントで参加されていた、L福岡のK(仮名)さんにお会いし、去年ブックオカ以来のお話。やさしく気遣ってくださるKさんにご紹介いただいて、「ブックスキューブリック」大井さんにもご挨拶。全国の書店が参考にし、目標としている街の本屋の一つです。
自分も店をしたいと思っている旨お話すると、現在大手取次関係者と新規起業店が参加しやすいよう、話し合いをされているとのこと。もうすぐ今までよりずっと始めやすくなるよ、とおっしゃってらしてビックリしながらも納得。業界が旧態依然でいても仕方ないのはみんな分かっていて、大手取次でも改革意識をもっている方がいるというのは、本当に希望があるなあと。
自分も体制を整え、いろんな方法をどう活用できるか考えておこうと心に留めました。

自分が本屋をやるために、何が大切なのか。
いろんな方にお話を聞いて散々考えて辿りついたのは「店という形に囚われすぎないようにしよう」ということでした。
心のどこかで<魅力的な店づくり>というものにこだわりすぎて、「どう作れば店が成り立つか」ばかり考えていました。
けれど、重要なのは結局「自分が届けたいと思う人にどう本を届けるか」という仕組みづくりであり、それをできるだけ長く継続していくための方法、なんだよなと思い至りました。
店頭とかネットとか外商とか配達とか、形はどうでも手間がかかるとしても、「届ける」という目的を達成することが大切だ、と。
だからまず自分の中で「届けたい人」「届けたい本」をより具体化し、最適な方法を探る。
それを始めようと思いました。

そういうことを考えて決めてから独立するのが当たり前のような気もしますが、走り出してから考えるタイプの自分は、やっとスタートラインに立ちました。
これからもぐだぐだ迷いつつ、考え方の芯・核を持ちつつ、楽しく頑張っていきます。
皆さま、どうぞこれからもよろしく願いします。

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ということで、長々~と書いてきました本の旅日記、一通り目的が終了しました。
次回は有田・武雄温泉をめぐる普通の素人観光日記になると思いますが、もしよろしければお付き合いください。

2015年10月3日土曜日

本を求めて旅日記<九州編> 5日目 大分①-2

大分1日目、後半です~
今回はまた本屋話で、写真が少ない上、考え込んでめんどくさい感じです。すみません!

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10月2日(金)

臼杵からまたJRに乗り、次は佐伯へ向かう。
先日発売されたムック『本屋へ行こう!』や『本屋図鑑』等で紹介された老舗「根木青紅堂」さんへ行くため。
駅からお店まで、ごまうどんを食べたり(店主のおばちゃんが沖縄・三線好きで和む)全国チェーンの明屋書店を覗いたりしながら通りを歩き続け、到着。
近年改装されたというお店は、棚など木を基調にされていて落ち着いた雰囲気。入ってすぐレジ横に、店独自のロングセラーコーナーや話題書・新刊、ビジネス書、文芸書・詩と続き、全国的な売れ筋を置きがちな店とはやはり一線を画している。料理や育児・児童書も、厳選して置いてあることがわかる。前出のムックでも書かれていた岩波文庫や新書・ちくま学芸文庫・講談社学術文庫はしっかり在庫。奥の低いテーブルで行われていた小規模のオススメコーナーも、丁寧なPOPがつけられている。全体的に丁寧に手間をかけてらして、紹介したくなる、こんな本屋が近所に欲しいと思う気持ち、わかるなあと感じた。

会計時、旅行に来ていて、自分も書店をしようと思っているとお話しすると「ええっ?今から?大変ですよ…」「うちも家族でやってなんとかやっていけてる」「あらまあ頑張ってくださいね…」と苦労されたが故のお言葉をいただく。実質的に教科書や定期購読(配達)が多く、とても店売りじゃあやっていけないですよ、と。阿蘇の「竹とんぼ」さんも9割は外商(契約した取引先から注文を受け届ける)だとおっしゃっていた。
そう、よほど人通りの良い立地でしっかり売れるジャンルでもなければ、小さい書店の経営は成り立たない。普通にやっていても仕方ない。これは書店に限らず、個人商売どこもきっとそうだろう。
だからどのお店も、どうやって知ってもらうか、他の販売方法・取引方法がないか、考え、挑戦する。注文してもらえる関係づくりに奔走し、年月を積み重ねることでやっと信頼を築いていく。そして何より、商品知識を伸ばす努力をする。
生半可に自分が好きな本を売れたらいいなあなんて言っていたら、食べていくための仕事にできるはずがない。
当たり前だけれど大切な厳しさに気づかされ、それを実践し続けてきた「根木青紅堂」さん「竹とんぼ」さん、全国の諸先輩方に改めて尊敬の念を抱きつつ「じゃあ自分はどうするんだ」とぐるぐる考えメモを書き散らしながら大分へと戻りました。

大分市内に戻ってから、「明林堂書店大分本店」のMさんへ挨拶に行く。大分でのブックイベント、書店員フリーペーパー<晴耕雨読>などに携わっていらっしゃるベテランだ。
昨年のブックイベント(ブックオカなど)でお会いして以来、FBで情報を共有するくらいだったけれど、直接「頑張って!」と言っていただけて、気持ちがへこたれていただけにとても嬉しかった。行けなかった国東半島の本を買い、再会を願いつつ失礼する。



そのまま、大分駅近くの「カモシカ書店」さんへ。
こちらも去年の開店以来、こだわりのスタイルが話題になり各所で取り上げられている。1階の百円均一コーナーを抜けて階段を上り、鉄のドアを開けると、静かな落ち着いた空間が広がっていた。古本と直接取引のタイトルがメイン。古本は比較的スタンダードな品揃えで、価格も手ごろ。点数も多めだけれど、棚が大きいので余裕がある置き方がされていて、その空間の余白がまた別の本を連想させる。きっとこれからもっといろんな本が増えていくことを予感させる、良い余白だなあと感じた。
直接取引をしている本に独自のカラーがあって、他では見ない際立って個性的な本が多かった。こだわりのトートバッグやブックカバーなど、雑貨もあり、飲食も充実。今まで本を読まなかったという人にもアピールできる、面白い本屋になりそうなお店。次訪れた時にどんな雰囲気になっているか見てみたいなあと思った。

色んな事を試みれば、賛否両論になるかもしれない、もしかしたら失敗するかもしれない。それでも、本気でやれば応援してくれる人もいるし、続けることで見えてくることもあるはず。
だから一生懸命努力する人を心から尊敬するし、自分も自分なりのやり方を考えてやっていきたいなあ(できる限り楽しく)と、心から思った一日でした。

そんなこんなでうろうろしながら別府へ移動し、ホテルの温泉で疲れを癒して眠り、翌日別府地獄めぐりで愉快に元気になりました。
ということで続きはまた次回。