2015年10月5日月曜日

本を求めて旅日記<九州編> 6-7日目 大分②&佐賀

おはようございます!くじらブックスです。
皆さまいかがお過ごしでしょうか。
大分1日目、若干考えすぎ?なブログを書いてしまい、ちょっと反省しております。
後で恥ずかしくなりました…。
あれだけ考えた翌日、なにをしていたかと言うと、ぶらぶら~っと遊びまわっておりました!

…とここまで書いて更新がさらに遅れてしまったので(書くのが追いつかない!)、遊んでいた大分2日目はさらっと終えまして、考えた色々は翌日・佐賀の日記とまとめようと思います!
ので、長いですが…2日分どうぞご覧ください~

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10月3日(土)

昨日にも増して晴れた大分・別府。
早起きしてどこへ出かけたかというと。



遊園地でも動物園でもありません。
<地獄>。地獄です。
しかし、死後悪いことをして行くあの場所ではなく、<大分県別府市に多数存在する様々な奇観を呈する自然湧出の源泉>をそう呼んでいるそうです(出典:wikipedia)。
その<地獄>8カ所を回るバスツアーに参加してみました。


いわゆる源泉を巡るため温泉には入らず(足湯くらい)、ぐつぐつ湧く色んな色の湯を見物したり、さまざまな動物たちを見学したり(なぜかアマゾン産多し)する、温泉地の楽しみですね。
明治・大正時代、実業家の油屋熊八が別府の観光に尽力した際つくったとのこと。
朝のテレビ番組で”農業品のブランディング(参照:wikipedia)”について特集していたのを思い出し、これも観光地のブランディングだよなあと感心しました。中国人観光客も多く(大型フェリーがよく寄港するらしい)、まわりやすい観光地・しくみが既にあるというのは、地域にとっては大きなプラスだろうなあと。
温泉と一緒に物珍しいものを見る、昔ながらの味が残る施設。その伝統を面白がって拝見しました。

大分は国東半島や竹田市など見るべきところが多く、とてもまわりきれなかったので、ぜひ再度訪れたい場所です。去年から始まったブックイベント<ぶんぶくまつり>なども、盛り上がりが楽しみです。

その後、福岡へ移動。別府(福岡)・六本松の「古書店・徘徊堂」さん、「金修堂書店」さんを見学しました。
本屋に関して考えたことは佐賀編にて。

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10月4日(日)

朝一で福岡から佐賀へ移動、今回の旅メインイベント<BOOKマルシェ佐賀2015・一箱古本市>に参加しました。

その準備前、マルシェ参加店でもある「子どもの本屋 ピピン」さんへ。自己紹介し、少しお話を伺いました。
こちらは12年前、20数年続いた書店が廃業すると知り、地元有志がNPOを立ち上げ、運営を始められたそうです。仕入れが難しいタイトルもある、売上も厳しい、とおっしゃっていましたが、司書の方が多く協力する読み聞かせイベントなど積極的に開催されています。地元の子どもたちに良質な本を届けたい、という強い思いが店頭からも伝わってきました。

10時半に受付を終え、ぱたぱたと古本市の準備を始めていると、ぞくぞくとお客様が集まってきます。


写真以外の広場や通りも、親子連れ・ご年配の方々など本当にたくさん!個別の関連イベントや飲食店にも集まっている様子。
イベント自体が今年7年目だそうで、一般にも大分認知されているのが感じられました。


↑ くじらブックス店頭 ↑

事前に荷物を発送、本当に一箱分だけの在庫だったので、見える本全てにPOPを付けるなどちょこちょこ工夫。
ボーダーインクさん提供のバーゲンブックやその他沖縄本も産地直送をアピール!
すると、結構興味を持って見てくださったり話しかけてくださったり。ちょこちょこ購入もしていただけました(沖縄出身の女性、辺野古へもいらしたことがある市議の方など)。
特にご年配の女性が「こんな本なかなか見る機会がないから面白いね」と買ってくださり、来た甲斐があったとしみじみ嬉しかったです。
そして、真ん中に置いている『桜島!まるごと絵本』。実は旅の1日目、鹿児島の新刊書店で購入した鹿児島の県産本です。まだ熟読していませんでしたが、かわいらしく良い本なので「佐賀の子どもたちも興味を持ってくれそう」と安く出していました。実際たくさんの子が見てくれて、よかったなあと片づけしていると「あの桜島の本残ってますか!?」と、一人の女の子が戻って買っていってくれました。
数は少なくとも、他県について興味を持ち知りたいと思っている人がいるという事実を、改めて実感した1日でした。

ホテルに帰る途中立ち寄った佐賀駅の「積文館書店佐賀駅店」郷土本コーナーで『佐賀文学』という文芸同人誌を発見、購入。新聞の紹介記事も掲示されていて<佐賀オスプレイ配備について反対する老人の小説>掲載と読み、ハッとしました。佐賀の方が沖縄に関心を寄せてくれる一因には、基地問題の共感もあったのかもしれない、と。不勉強な私はいまさら思い至ったのです。

今回、九州旅で実感したのは<それぞれの土地に暮らす人々がそれぞれに地元を愛し、地元で一生懸命働き、また他県にも興味をもっている>という至極当たり前のこと。しかし、普段は改まって考えないことでした。九州各県が持つ資源の大きさと可能性は、これからもっと重要になってくるでしょう。またきっと訪れたいと本当に思っています。
そして沖縄も土地が持つ潜在的な人、資源を活かせたら良いなあと思いました。

別途本屋関係について。
BOOKマルシェにトークイベントで参加されていた、L福岡のK(仮名)さんにお会いし、去年ブックオカ以来のお話。やさしく気遣ってくださるKさんにご紹介いただいて、「ブックスキューブリック」大井さんにもご挨拶。全国の書店が参考にし、目標としている街の本屋の一つです。
自分も店をしたいと思っている旨お話すると、現在大手取次関係者と新規起業店が参加しやすいよう、話し合いをされているとのこと。もうすぐ今までよりずっと始めやすくなるよ、とおっしゃってらしてビックリしながらも納得。業界が旧態依然でいても仕方ないのはみんな分かっていて、大手取次でも改革意識をもっている方がいるというのは、本当に希望があるなあと。
自分も体制を整え、いろんな方法をどう活用できるか考えておこうと心に留めました。

自分が本屋をやるために、何が大切なのか。
いろんな方にお話を聞いて散々考えて辿りついたのは「店という形に囚われすぎないようにしよう」ということでした。
心のどこかで<魅力的な店づくり>というものにこだわりすぎて、「どう作れば店が成り立つか」ばかり考えていました。
けれど、重要なのは結局「自分が届けたいと思う人にどう本を届けるか」という仕組みづくりであり、それをできるだけ長く継続していくための方法、なんだよなと思い至りました。
店頭とかネットとか外商とか配達とか、形はどうでも手間がかかるとしても、「届ける」という目的を達成することが大切だ、と。
だからまず自分の中で「届けたい人」「届けたい本」をより具体化し、最適な方法を探る。
それを始めようと思いました。

そういうことを考えて決めてから独立するのが当たり前のような気もしますが、走り出してから考えるタイプの自分は、やっとスタートラインに立ちました。
これからもぐだぐだ迷いつつ、考え方の芯・核を持ちつつ、楽しく頑張っていきます。
皆さま、どうぞこれからもよろしく願いします。

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ということで、長々~と書いてきました本の旅日記、一通り目的が終了しました。
次回は有田・武雄温泉をめぐる普通の素人観光日記になると思いますが、もしよろしければお付き合いください。

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