2015年10月1日木曜日

本を求めて旅日記<九州編> 3日目 熊本

こんばんは!くじらブックスです。
皆さまいかがお過ごしでしょうか。
滞在中の熊本は一日雨でした。土砂降りじゃなかったのが幸いです。
明日は全国的に天気が崩れるとのこと。
様子を見つつ、臨機応変に行ってみます…。
それでは本日の日記をお届けします。もっと簡潔にしたいのですが…長くなってしまいました。
そして移動や観光をしない分、より<本屋>話が多くなっています。
よろしければご覧ください~

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9月30日(水)

今日は熊本で一日過ごすので、ゆっくりスタート。
歩きながらまずは『Book&Cafe一心堂』さんへ。
ほど近い場所にあった老舗が移転、カフェ併設となったそうです。路面店で窓からの見晴らしも良く、落ち着いて本・飲み物が楽しめます。(昨日のブログもこちらで書かせていただきました)
在店中も「こちらは交通センターにあった…」というお客様が何人もいらして、老舗として愛されたお店なんだと感じました。街の一部になることの大切さを思います。これからも長く続けていただきたいと勝手ながら願わずにいられません。


そして市電沿いに先を進むと、老舗文具店の軒先にこんな像が。
…たぬき?
すぐ近くに<肥後手まり歌・あんたがたどこさ>の舞台となる船場橋があるから、だそうですが。(参照URL
なんだか無視できません。
他にもたくさんたぬき像はありましたが、ダントツで目立つ人間ぽいたぬきでした。

閑話休題。

次に見えてきたのが『長崎次郎書店』さん。












創業140年を越える老舗であり、『国登録有形文化財』に指定された建物は、一目で圧倒される存在感です。
平成25年一旦閉店されましたが、経営分離した長崎書店(上通店)が引き継ぐ形で平成26年7月31日、リニューアルオープンされました。現在は2階に喫茶(定休日で入れず残念)もオープン、充実度がより増しているようです。
店舗入口には定番の幼年・コミック誌が並んでいますが、中に入ると女性向けの暮らし・ライフスタイル、リトルプレスなどが目立つところに配置。子ども用に木のおもちゃ、雑貨類やお菓子もあり、東京・福岡の書店にも負けないという感じのおしゃれさ。
それだけでなく、壁際の人文・思想・社会コーナーも面白そうな新刊が揃い、漱石ら地元の文豪コーナーもしっかり展開。
広いお店ではないと思いますが、雑誌・コミックなども置きつつ、提案型の書店として新しさを意識されているのがひしひしと伝わってきました。
これから年月を重ねることで、建物の重厚さと内側の新しさがさらに融合し、街の人々に愛されていくだろうなあと思います。楽しみです。

そして今度は市電に乗って、熊本城方面へ。
美味しいカレーを食べてから「橙書店」さん。
「長崎次郎書店」と共に雑誌の<本屋特集>などよく取り上げられる個性派書店。こちらは日本・海外の文学を中心に、よりセレクトされたタイトルが多く並びます。
実は自分が大好きなスティーブン・ミルハウザーの新刊『ある夢想者の肖像』(白水社)が平積みになっていて「発売してたんだ!」と嬉しくて買ってしまいました。地元でも買えるのに…。
(後悔はしませんが、旅の荷物が雪だるま式に増えて困ります)
お話も少しさせていただいて、自分なりのやり方を通していく、洗練された意志が感じられるお店だなあと感じました。前出『ある夢想者~』訳者あとがきで、柴田元幸先生がこの作品を評して「すべての読者をまんべんなく喜ばせることはなくても、一定数の読者を強烈に魅了する」と書かれており、まさにこちらのお店もそうじゃないかと勝手に思ったり。
誰もができることじゃないけれど、確実に誰かの生活や人生を変える1冊を売れる本屋さん。すごいですね。
元々経営されていた隣接する雑貨・カフェOrangeのアイスコーヒーが、また理想的に美味しい。帰宅したら再現できるか淹れてみたいです。雑貨もこだわりの品が多く、人を惹きつける魅力にあふれた印象的なお店でした。

その後、また移動して「くまもと森都心プラザ図書館」でなぜか『西荻窪の古本屋さん 音羽館の日々と仕事』(本の雑誌社)を読んだりと、なんだか本屋のことばかり考えていた一日でした。
自分はどうしたいだろう、と改めて考えます。
でも、結局一日中考えても飽きないくらい好きだから、本屋をやりたいんだよなあ、というのはわかっているので、また明日、次の本と本屋を訪ねつつ考え続けてみます。

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